漏洩検査と定期点検の必要性
危険物施設からの火災・漏えい事故は全国的に増加傾向に転じ、現在は過去最悪の水準で推移しております。また、その原因については、火災では管理・確認不十分等の人的要因が、漏えいでは腐食劣化等の物的要因によるものが多くなっております。
これら施設において発生する火災、漏えいなどの事故は、人命や財産に大きな被害を与えるばかりでなく、環境汚染など周囲に多大な社会的影響を与えることになります。
消防法では、定期点検の必要な施設の所有者等は、その施設を定期的に検査、点検を行い、各報告書(製造所の区分によって点検項目が違います)を作成し、一定期間これを保存することを義務付けております。そのため消防機関より提示を求められた時には提示する必要があります。
漏洩検査と定期点検の違い
漏洩検査
埋設配管、タンク等、目視確認が困難な場所を、ガス加圧法や他の定められた方法によって行う。
【気相部検査】
検査方法は下記の2種類があります。
1. 加圧、微加圧検査
2. 減圧、微減圧検査
検査方法は下記の2種類があります。
1. 加圧、微加圧検査
2. 減圧、微減圧検査
【液相部検査】
定期点検
タンク上部スラブ、目視できる配管、小規模タンク、ボイラー室内の設備(ポンプ、配管、バルブ、電気設備や消火設備等)の亀裂、腐食、歪み、滞油、滞水、取り付け状況を目視確認や作動確認で行う。
漏洩検査と定期点検の実施時期
漏洩検査 | 検査内容 | 埋設配管及び埋設タンクの漏れの有無を加圧検査等で検査をし、 漏洩の有無を確認する。 |
実施時期 | ・埋設後15年未満の配管及びタンクで、下記の3項目をきちんと行っている施設は3年に1回以上 1. 漏えい検査管により1週間に1回以上危険物の漏れを確認して いること。 2. 取扱い数量の100 分の1以上の精度で在庫管理を行うことに より、1週間に1回以上危険物の漏れを確認していること。 3. 定期点検を作成及び記録を作成し3年間分以上保管している こと。 ・埋設後15年以上及び上記に該当しない配管及び タンクは1年に1回以上 | |
定期点検 | 点検内容 | 製造所等位置、構造及び設備が技術上の基準に適合しているか 否かについて、点検及び記録を作成する。 |
実施時期 | 1年に1回以上 |